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免疫機能を維持する食品

  機能性表示食品制度が新たなステージに突入しています。

  2015年にスタートした機能性表示食品ですが、約30年の歴史を誇る“トクホ”を遥かに上回り、わずか5年で受理数3000品に到達しました。年度別では15年度が310品、16年度は620品と順調に伸ばし、17年度には452品と一旦スタートダッシュを終えましたが、18年度は690品、19年度は882品、そして20年度は10月時点で422品と、その勢いはとどまることを知りません。

  ハイペースで受理数を伸ばす中、今最も話題となっているのは今年8月に受理されたプラズマ乳酸菌を関与成分とするキリングループのiMUSEブランド5商品。それらに表示された機能性は、なんと「免疫機能の維持」。業界にとって悲願であった“免疫での受理”を達成し、本制度の歴史における新たな1ページを刻むことになりました。

  現在、“免疫”と聞いて真っ先に思い浮かぶのは“新型コロナウィルス”ではないでしょうか。今年はこの“新型コロナウィルス”によって世界中が錯綜しました。そして今もなおその感染に怯え、閉塞感の広がる日々を粛々と送っています。イギリス、アメリカ、中国を筆頭にワクチン開発が急ピッチで進められていますが、いまだ臨床試験を実施している段階で安全性や有効性については全く確立されていません。つまりコロナにかからないための感染予防が必要なのです。私たちが今できる感染予防策、それは手洗いとうがいです。政府やメディアの影響で手洗い・うがいは日本人の“当たり前習慣”となりました。ですが、“STAY HOME”も当たり前となった現在では、外出の機会も減り、帰宅後の手洗い・うがいよりも“免疫力の強化”の方に注目が集まっています。コロナ禍での免疫ニーズの高まりから、「免疫機能の維持」と表示された商品は、飛躍的に売れ上げを伸ばすことになるのでしょう。

  キリンビバレッジおよびキリンホールディングスから間を置かずに、ファンケル、小岩井乳業も届出が受理され、現在では4社10商品において「免疫機能の維持」が表示されています。そして今後も各社が免疫での機能性表示を目指し、それにより機能性表示食品の受理数も依然としてハイペースが予想されます。新たな市場を拡大した業界初の“免疫での届出受理”。与えたインパクトも大きく、コロナ禍で免疫機能の強化を意識する消費者に対し猛アピールすることになりました。今後、プラズマ乳酸菌に続く次の関与成分の登場も予想され、われわれ消費者の期待はますます膨らんでいきます。