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景品表示法 打消し表現

■健康食品の表示及び広告の規制  
 健康食品の表示及び広告に関連する法律は景品表示法、健康増進法、食品表示法、医薬品・医療機器等法(薬機法)の4つ。食品表示法と薬機法は、特定の表示内容を義務付ける、あるいは禁止する事前規制型の法律に分類されます。

 景品表示法と健康増進法は、既に世間に出た広告を対象とする事後規制型の法律です。著しく人を誤認させるような虚偽誇大表示あるいは優良誤認表示を規制します。

 ここでの「著しく」とは、その表示、表現の誇張が一般に社会に許容される範囲を超えており、一般消費者に影響を与える場合を指し、その程度が著しいかどうかは、過失・故意を問わず、社会通念をもって判断されます。

■景品表示法の打消し表示  
 平成30年6月に消費者庁より発表された「打消しガイドライン」に従って、平成31年1月17日 、株式会社はぴねすくらぶに対し、同社が供給する「酵母と酵素deさらスルー」に係る表示について、消費者庁及び公正取引委員会の調査の結果を踏まえ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、消費者庁が措置命令を行いました。

【表示内容】  
 「酵素 酵母 乳酸菌の発酵パワーでダイエット ・・・・・!」、「食べることが大好きなあなたへ!」、「酵母と酵素deさらスルー」は、生きた酵素と酵母、乳酸菌、さらに白キクラゲ由来のエイドライフリーWJをたっぷり配合した新しいダイエットサプリ等

 本件2商品を摂取の摂取により、運動や食事の制限なしに、本件2商品に含まれる成分の作用により、痩身効果が得られるかのように表示をしていた。

【表示の根拠】  
 当庁は、それぞれ、景品表示法第7条第2項の規定に基づき、はぴねすくらぶに対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出された。しかし、当該資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。

【打消し表示】  
 前記の表示内容について、自社ウェブサイトにおいて、「※使用感・結果には個人差があります。」と記載していたが、当該記載は、一般消費者が当該表示から受ける効果に関する認識を打ち消すものではない。(消費者庁 資料より 引用)

【ポイント】  
 一部の都合の良い体験談のみを引用する場合不当表示となる。
「個人の感想です」
「効果には個人差があります」
等の打消し表示は、一部の都合の良い体験談のみの引用に当たる。

【新たなガイドライン】  
1.被験者数、属性
2.体験談と同様の作用や実感 が得られた割合
3.体験談と同様の作用や実感 が得られなかった割合
の明記が必要

■打消し表示に必要なエビデンス  
 景品表示法に対応する食品臨床試験としては、これまで機能性に関する有効性試験が行われていましたが、今後はVASアンケート試験等を組入れる必要があると考えます。

 「体験談と同様の作用と実感」の「作用」については、食品臨床試験から得られるデータ等の客観的指標にて説明されるものであるのに対し、「実感」については、アンケート等による被験者の主観的指標にて説明されるものです。

 VASアンケート試験は、論文投稿も可能なアンケートとして、学術的にオーソライズされているので、より確かなエビデンスになると思われます。