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厳しい景品表示法

 機能性表示に対応した食品が次々と販売開始される中、違法なサプリメントの摘発が相次いでいます。
 7月25日、消費者庁は、「太りたい人向け」にサプリメントを販売した企業に対し、「根拠が認められない」として景品表示法に基づく措置命令を下しました。
同社は、サプリメン トの同梱チラシまたはホーページにて、 「太れない体質だとあきらめたくない!」「女性らしい美ボディに!健康的にふっくらしたい」など、あたかも簡単に肥満効果が得られるかのような表示・宣伝を行っていたようです。これに対し消費者庁は、「裏付けとなる資料」の提出を求め、同社から提出された資料には「合理的な根拠がない」と判断しました。

 さらに7月30日にも「豊胸効果」を謳ったサプリ販売企業に対し、景品表示法違反として、再発防止策等を求める措置命令が出されています。同社の表示・標榜は、「うつむくと胸が邪魔して下が見えない」「94%が2カップ以上UPを実感」というもので、著しい豊胸効果が容易に得られるかのような表現となっていました。」
 そのほかにも、ダイエット健康食品の、「米袋2個分の脂肪がお腹から除去」 に対して、再発防止措置命令、がん予防健康食品の、「ガンにならないためにはこれを飲んでいたらいいんです」といった標榜には、業務禁止命令が下されています。
 もちろん、過度に期待を煽る表示はご法度です。しかしこれらのケースに限らず、どの機能性表示食品でも、消費者の購買欲をくすぐる、巧みな言葉の‘‘心理戦“を展開している事は共通です。そして制度では、「安全性・機能性に関する科学的根拠の内容およびその説明責任」を販売企業に課しています。つまり、巧みな言葉表示の根拠となる資料を求められた際、速やかにそれを提出し、かつ合理的な根拠として判断されなければいけないという事になります。その責任を果たせなかった場合のみ、上述のような厳しい処遇を受けてしまうことになるのです。

 一方で、巧妙な言葉の‘‘心理戦“をものにし、順調に売り上げを伸ばす食品も存在しています。その明暗の分かれ目はどこなのでしょうか。
 中小企業にとって、研究開発への投資は可能な限り抑えたいところでしょう。しかし、その経営戦略が仇となり、消費者庁からの摘発を受けてしまうことになれば、経済的ダメージは甚大です。やはり「専門家によるシステマティック・レビュー」および「専門業者によるヒト臨床試験でのエビデンス」を元に機能性表示食品として届出をすることこそが、その後のリスクを小さくすると言えるかもしれません。