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明暗のカギを握っているのは機能性表示食品

 健康産業新聞編集部の調査によると、全国200社の健康食品受託製造・加工企業のうち、前年の売上を上回った企業は全体の58%、下回った企業は27%という結果が示されています。さらに上回った企業は前年と比較し7ポイント減少、下回った企業は、前年と比較し8ポイント増えており、この結果から企業間の格差が、より鮮明になっていることが窺えます。

 明暗のカギを握っているのは、やはり機能性表示食品だといえるでしょう。2015年に制度がスタートし、健康食品市場の勢力図に大きな影響を与えました。調査ではさらに、機能性表示食品制度に対する評価についても聞いています。「評価している」と回答した企業は全体の23%、「どちらともいえない」と回答したのは全体の47%でした。つまり、約半数の企業は制度に否定的であり、その理由には「対応が遅い」「指摘が時に応じて変わる」「大手優先の制度」といった意見が上がっています。特保と比べて、時間的にもコスト的にもハードルの下がった機能性表示食品ですが、中小企業にとっては取得を困難と感じるところが多いようです。しかし、この一大ビジネスチャンスをこのまま逃してしまってよいのでしょうか。

 第3次ガイドライン改正により「対応が遅い」「指摘が時に応じて変わる」といった理由は解消されると予想できますが、研究に不慣れな方には難しい研究レビューや専門知識を必要とする臨床試験は、大学や試験受託機関を活用せねばなりません。そこには一定のコストがかかるため、中小企業であれば研究への投資を躊躇しがちですが、そこに巨大なメリットが隠れていることを忘れてはいけません。
 臨床試験の実施は独自のエビデンスを構築し、他社製品と差別化されたオンリーワン商品を生むことになります。さらにエビデンスを得た機能に特許を取得すれば、その価値はより強固なものになるでしょう。

 そして、戦略的なマーケティングも必須といえるでしょう。売れている商品はパッケージで見事な"言葉遊び"を展開しています。もちろん、科学的根拠に基づく範囲内であることは前提ですが、消費者が健康イメージを駆り立てるような、明確な言葉選びが重要になります。
 そのためには、臨床試験を実施する際に、最終的に目指す結果・ヘルスクレームをイメージして計画することが必要です。試験デザイン・被験者・測定項目などを検討するとき、なぜ【何を目的に】この臨床試験を行いたいのかを明確にしたうえで食品CROへ相談することがよいでしょう。