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拡大する健脳サプリメント市場

  健脳サプリメントが市場で盛り上がりを見せています。

  「健脳」とは「健康な脳」のことです。つまり健脳サプリメントとは脳神経領域への効果をうたったサプリメントということになります。超高齢社会となった日本の認知症患者の数は年々増え続け、厚生労働省の推計では2018年の認知症患者数は500万人を超えているとされています。さらに65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症、今から5年後の2025年には5人1人が認知症、患者数は700万人という予想もあります。こうした状況を背景に、政府は2018年6月に「認知症施策推進大綱」を決定しました。この大綱では「認知症は誰もがなりうるもの」とし「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味での「予防」の推進をしています。誰もがなりうる認知症に備え、その「予防」の分野を担う健康食品業界の責任は、これからますます大きくなると思われます。

  機能性表示食品のうち、認知症予防としての「記憶力」「注意力」「計算能力」を表示した品目は、現在までに225品目、一年前と比較して82品目も増加しています。

  これまでの認知機能に関連した健脳サプリメントは、商品を説明するという行為が足かせとなり、医家向けや訪問販売、宣伝講習販売などの対面販売が主流でした。しかし、機能性表示食品制度の開始を機に、機能性をパッケージに直接表示できるようになったことから、商品を口頭で説明するという足かせが外され、その販路は大幅に拡大しているのです。
  現在ではドラッグストアにも多く陳列され、通販サイトでも容易に購入できるようになりました。販売者が売り場へ出向いて説明する必要がなくなり、逆に購入者自らが商品購入を目的に店舗へ足を運ぶのです。今後、売り手市場へと転換されていくことも大いに期待できるでしょう。

  購買層においても、制度以前は当然、認知症を発症する年代の60〜70代がメインでした。しかし制度以降は、「認知症」が視野になかった40〜50代も、売り場に並んだ商品パッケージの機能性を直接目にすることにより、それを「予防」することについて関心を大きく広げているのです。
  さらに最近ではTwitterやInstagramで「脳活」「ブレインフード」などのワードが散見されるようになりました。「記憶力」、「注意力」を求めているのは高齢者だけではないようです。SNSを頻繁に活用する20〜30代の間にも健脳サプリメント・健脳食を意識するものが増えているのは確実です。全世代を取り込み始めた健脳市場、今後ますますの好調が見込まれます。